2012/11/20
土地の形状による価格の変化
今回は、築年数が古い投資用物件を、出口を土地で売却することを想定している方や、ちょっと大きめな自宅用地を検討している方に役に立つ情報です。
投資用であれ、自宅用であれ、将来売却の可能性のある、大きめの土地を購入する場合、1宅で売れるに越した事はないのですが、やはり大きくなればなるほど、個人の有効需要は少なくなっていくという事を念頭に入れなくてはなりません。
現実的な買い手として、建売事業者やマンションデベロッパー等を想定した場合、売りやすい土地というのが、出口に困らない土地と言えます。建売事業者は購入した土地を分筆して、複数の宅地にしますが、この土地を分割する際に分割しやすいかしにくいかが、大きなポイントとなります。
ページ下部の画像をクリックすると拡大するのでそちらを参照ください。
①の形状のように前面道路に対して正方形に近い土地は1宅地ごとの間口が確保できず、道路から垂直に複数に分割できない事が多いので、図のように真ん中に位置指定道路を入れるか、道路から見て奥の敷地が旗竿状の形にするかしなくてはならず、奥の敷地の価値が下がります。
②の形状のように、奥に細長い形状の土地は、アパート等を建築する以外は図のように、位置指定道路を端から端まで通してあげて、人工的に角地のようにして、分割する事が可能ですが、道路の部分は無価値になりますので、その分値段が下がります。
③は角地なので、減価する事なく、分割できます。角地に幾らの単価をつけてどのくらいの大きさで売却するのか想定する事が大きなポイントです。
④は②のように人工的に道路を通すのではなく、もともと道路に対する間口が広いパターンです。③の角地同様、工夫しなくても単純に分割できる土地なので、価値が高くなります。
分割する際のおおまかなパターンをあげてみました。実際はこれに、「何坪くらいに分ければ有効需要が増えるのか」という要素や、1種低層の地域にある最低限これくらいの大きさでないと分割してはいけないという規制のからみや、そもそもの土地の大きさがあるので、上げた例のように単純にはいかない事が多いですが、基本として覚えておけば、わざわざ出口を想定しずらい土地を買わなくてすむと思います。