コラム

2012/12/13

カテゴリー: 不動産を買う時の注意点

楽に返済できる資金計画のすすめ

全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)が実施したアンンケート(有効回答1万4,000件)で「不動産は買い時か」という質問に対しての回答で「今が買い時」と答えた人は24.4%だったそうです。

逆に「買い時と思わない」という回答をした人は21.0%です。その理由の第一位は

「自分の収入が不安定またはまたは減少しているから」だそうです。

この答えの背景にある考えって「購入したら(返済額は)家賃より高くなる」って事ではないでしょうか。

住宅の営業マンに資金計画の相談をすると、

『ご予算はどの位ですか?』と必ず聞かれると思います。

ご自分で予算を決めていたら別ですが、『幾ら位なら買えますか?』と聞いちゃうと年収負担率 (最大限借りられる金額) 一杯に借り入れした額で買える物件をすすめられるのがオチ。こういう経験がある方がアンケートに答えているから、上記のような回答が出てくるのではないでしょうか?

ですから、営業マンに相談する前に少しだけ頭の整理をしておきましょう。

弊社のオススメは返済額をいまの 家賃と同額前後にすること。

40歳以内の方であれば、最大35年のローンを組めると思いますが、将来会社の定年が長くなって65歳まで働くと仮定しても10年間は返済が残ってしまいます。

かと言って退職までの期間に限定してローンを組むと月々の返済が重くなります。

だから、いま足りない分をローンで賄って時間を買う訳ですが、その返済の為の計画は将来を見越すのではなく、現在を前提にしましょう。

せっかく買うんだから、ちょっと頑張ってという思考回路に陥りがちですが、そこをぐっと抑えて、頑張れる余力は繰り上げ返済に回しましょう。

この考えで資金計画をし、かつ資産価値の下がりにくい中古物件を選べば、不動産を購入する事は賃貸に住んでいるより、人生のリクス分散になります、

自分がいくら借りれるか、いくらなら返済してもよいかを考えていただくために与信枠を計算する方法をご紹介いたします。



与信枠と言うのは、本当にザックリ言うと、幾らまでお金を借りれるのかという枠です。計算方法は簡単です。

① 年収×35%÷12 =計算上毎月返済可能な額(A)

この式中の年収は税込み年収で大丈夫です。35%という数字は返済負担率といいます。つまり年収の35%までの借入を銀行は許容してくれるって事です。12は12ヶ月。ここまで計算するとあなたが月々幾らの返済が理論上可能なのかが分かります。

② (A)÷金利4%の時の100万円あたりの返済額 ×100

①の答えに100万円あたりの返済額で割ってあげれば借入可能額が分かります。4%を想定するのは金利上昇時のリスクを織り込んで銀行が審査するからです。

例) 年収500万円の場合で35年の借入を想定

500万円×35%÷12÷4,427円 ×100=3290


ちなみに借入30年のときは4,774円で割ります。出て来た数字から3,290万が借入可能額=与信枠と分かります。

仲介営業マンはこの額+自己資金を紹介する物件の価格の目安にします。なるべく高い物件で成約して、手数料を多く取りたいというのもあるでしょうが、どちらかと言うと、紹介する物件の幅を広げておきたいからです。お客様は借入可能額は意識しないまでも、毎月の返済額は月々○円以内にしたいと思っているので、 はじめは自分なりの資金計画をお持ちなのですが、やはり予算オーバーでも物件を気に入ってしまうと、欲しくなってしますのが人情です。

 そこを営業マンの数字のマジックを駆使したトークで「100万借入れを増やしても今の金利なら月々4,000円も増えないですから」と背中を押されてどんどん予算が上がっていきます。

 そうしてパンパンに与信を使い切ってしまうと、もう身動きが取れなくなります。

 この例で行くと、3290万の物件を買うのではなく、2,500万前後の物件にしておくのが賢明だと思うのです。

 

新谷加生 プロフィール

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