2012/12/15
不動産投資に使う指標 表面利回りとNOI利回り
お住まいに関して、建物診断や仲介手数料無料サービスをしている弊社ですが、ファンド業界での経験を生かして不動産投資のアドバイスもさせていただいております。
不動産投資をする際にさまざまな指標が使われますが、一番よく使われるのが、「表面利回り」じゃないでしょうか。
表面利回りは
年間賃料 ÷ 物件価格 という非常に単純な式で算出できます。
例えば、年間賃料100万円の区分マンションが1,000万円で売っていた場合、その物件の表面利回りは
100万円÷1.000万円 =10% という事になります。
とても簡単な計算なので、その物件のおおよその収益性を図るフィルターとして利用されます。あくまで総額から算出している、ので総額=グロスという事でグロス何%等の使い方をします。
もう少し、厳密に収益性を見たいと思ったら、NOI利回りを使います。
NOI=Net operating income :正味純収益です。Net利回りやネットで何%なんていう呼び方もします。
純収益を考えるので、入ってくるお金だけでなく、出て行くお金(コスト)も加味します。
先ほどの例でいくと、固定資産税が年間3万円、(初年度、または退去に伴う)リーシングする為の費用年額15万円、マンションなので、月々の管理費、積立金の年額合計24万円、賃貸管理のために管理会社に払う手数料年額5万円として合計47万円これが、おおよそのコスト(フローでかかるコスト)です。
物件価格には、物件を買う時にかかるコストを加味します。登記費用30万円、不動産取得税10万円といった
とこでしょうか。
計算式は 年間純収益÷初期投資額となります。
(100万円-47万円(コスト))÷(1,000万円 + 40万円)=5.0%となります。
ざっとの計算なので、本来的には、退去した場合の修繕にかかる費用の積立金ですとか、火災保険料等の勘案もしなくてはいけないところを、省略してます。
それでもこれだけの差があるので、投資額が小さくなればばるほど、コストのインパクトが大きくなってくるので注意が必要です。
この2つの利回り計算は、投資の指標として非常にメジャーですが、ある弱点があります。それは、「ある1時点の価格や賃料しか反映できない」という事です。
不動産投資は売却して投下資本を回収して初めて成功か失敗かが確定するので、いくら期中の利回りが高くても、売却するときにロスが出れば期中の運用で浮いた利益もすぐになくなってしまいます。無事に出口を迎えられるかどうかを上記の指標と一緒に考えるのが大事です。